福岡市 中央区 天神つじクリニック
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天神つじクリニック 病気の解説(不整脈)
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不整脈
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不整脈

 不整脈の症状
不整脈は、脈が規則正しく振れず、急に速くなったり遅くなったりする病気です。しかし、脈が乱れたからといっても、実際には測ってみないと分からないことが多々あります。また、常に症状があるわけはありません。むしろ、それに気づかない場合の方が多いようです。ただし、病状が悪化すれば自覚症状が出てくるようになります。

脈が速くなることを頻脈(ひんみゃく)と言います。ドキドキと動悸がし、さらに脈が速くなると心臓が十分な血液を送り出せなくなって、吐き気や冷や汗、意識が遠くなる症状が出てきます。

反対に、脈が極端に遅くなり、数秒以上、脈がとぎれるようになることを徐脈(じょみゃく)と言います。ふうっとなったり、めまいがしたり、ひどい場合は意識がなくなって倒れたりします。また、脈の遅い状態が続くと、体を動かす時に息切れするようになります。

症状をまとめると以下のようなものになります。
激しい動悸
めまい・息切れ
胸の不快感
胸痛
失神

失神はもちろんのこと、動悸や息切れであって激しいものを感じたら必ず医師を受診するようにして下さい

 心臓の収縮のしくみ
心臓は全身に血液を送り出すポンプの役目をしています。心臓は右心房、左心房、右心室、左心室という4つの部屋に分かれていて、心臓の中に入った血液は、この4つの部屋を順番に巡ることで、ポンプの役目を上手く果たせるようになっています。また、心臓の外側の壁と中の壁はともに心筋という筋肉でできていて、この心筋の収縮によって血液を全身に血液を送り出すことができます。

心臓には心筋を収縮するように指令を出す刺激伝導系という電気回路が備わっています。刺激伝導系というのは、発電所から一定の時間間隔で発生した電気を心臓全体に伝える電線のようなものです。心臓には、右心房に洞房結節という発電所があります。洞房結節から発せられた刺激は、次の1〜5の順序で伝えられます。

 1.洞房結節
 2.心房(しんぼう)
 3.房室結節(ぼうしつけっせつ)
 4.ヒス束(ひすそく)
 5.心室中隔(しんしつちゅうかく)を走る左右の脚(きゃく)
 6.左右の心室(しんしつ)

心臓の外観

洞房結節から発せられた刺激が心房に伝わると、心房が、そして心室に伝わったときには、心室が、それぞれ収縮します。こうして心臓の筋肉が収縮し、血液は心室から全身へと送り出されます。

心臓が正常に機能している場合には、この刺激が規則的に発生し、上記の回路を伝って1回ごとに滞ることなく心室まで伝えられます。

通常、成人では安静時に1分間に50〜70回前後の規則的な収縮、拡張が繰り返されます。ところがこの刺激が規則的に発生せず、その電気の伝達に何らかの支障が生じると、心臓の収縮、拡張のリズムが乱れ、「不整脈」になります。

 不整脈とは
不整脈とは、刺激伝導系のどこかに障害が生じ、心臓の収縮のリズムが乱れた状態です。脈が増える頻脈(ひんみゃく)型と 脈が少なくなる徐脈(じょみゃく)の2つに大別することが出来ます。

健康な人でも、寝不足やタバコの吸いすぎなどで起こります。心臓の病気がない人はほとんど心配なく、症状がなければ放置しても問題ない場合が多いのですが、頻繁に起こる場合は心臓の病気が隠れている場合があります。正常な脈拍を毎分60〜100と決め、これから外れるものを不整脈と呼びます。

不整脈が生じると、動悸、胸の不快感、息苦しさといった症状を感じることもありますが、特別な症状がないことがほとんどです。そのため、心電図などの検査によって不整脈が発覚するケースが大半を占めます。また、いつ検査しても不整脈が現れる場合と、ときどき思いついたように不規則に発生する場合、発作のように一定の時間だけ持続する場合など、脈の打ち方や頻度はさまざまです。そのため、自宅で動悸を感じ、病院で心電図検査を受けたものの、不整脈が発見できないというケースも多々あります。
また、不整脈の出方には、精神的な要素も大きく関与しています。

 不整脈の原因
「脈」とは、心臓から押し出される血液の拍動が血管に伝わって感じられるものです。もし心臓のリズムに異常が起きれば、脈は乱れてしまいます。では、そのリズムは何によってコントロールされているのでしょうか。

心臓は筋肉でできた臓器で、その筋肉にかすかな電気が流れて興奮し、動く仕組みになっていることは先ほど【心臓の収縮のしくみ】の項でご紹介致しました。

例えば、洞房結節で電気が発生しない、または別の場所から電気が流れてしまうと、心臓が規則正しく興奮しなくなります。よって脈が乱れ不整脈が起こります。つまり、不整脈は心臓に流れる電気の異常や刺激が伝導路をうまく伝わらないことを意味するのです。

 不整脈の種類
不整脈にはさまざまな種類があり、その種類によって原因や症状も微妙に異なります。

期外収縮
心臓を動かすための電気信号が、正常よりも早いペースで心室の一部に流れるものを、心室性期外収縮、心房に起こるものを心房性期外収縮といいます。

心臓が一瞬どきんとしたり止まったように感じます。脈をとると途切れたり間隔がまちまちになったり、1拍飛ぶような触れ方をします。健康人にもたまにみられ、高齢者ほど起こりやすくなります。不整脈のなかで一番多いタイプですが、心筋症、心臓弁膜症、狭心症、心筋梗塞などの心臓疾患がなければ心配のない不整脈です。
ただ、上のような症状が日常的に連続して起こると、心臓に病気がある場合の不整脈なので、早急な治療が必要です。

心房細動
心臓を規則正しく動かすための電気信号をリズム良く送れなくなり、心房のさまざまな場所が無秩序に細かく動いている状態の不整脈を心房細動といいます。突然、心臓の拍動(脈)が速くなり(200/分以上)、しばらく続いた後、急にまた元の正常な心拍動に戻るといった発作性心房細動と、連続して心拍が速くなる持続性心房細動があります。

期外収縮の次に多い不整脈で、動悸や胸の苦しさを感じます。心拍数が非常に多く、血圧が低下してめまいがしたり、ひどければ倒れてしまうこともあります。

すぐに通常の拍動に戻る(一過性の)場合は自覚症状を感じないこともあり、自然に治ってしまうケースもあります。持続性の場合は、心臓の血液拍出量が減少し、心不全に陥ることもあります。
また、心房内に血液がたまりやすくなり、血の塊(血栓)ができる原因になります。その血栓が血液の流れに乗って脳動脈に詰まると、脳梗塞を起こすこともあります。血が心臓の筋肉に行きわたらない虚血性心疾患などが基礎疾患となっています。

心室細動
心室の各部分の筋肉が勝手に興奮して、心室が震えているような状態になる不整脈です。そのため、正常な収縮が行えず、心室は血液を送り出すことができません。

脈が触れることができない、いわゆる心停止の状態と同じですので、極めて危険な不整脈です。
脳の血流が途絶え、3〜5秒後にめまい、5〜15秒後に失神、そしてけいれんを起こし、3〜4分後に死亡します。急性心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症など、重い心臓病によって起こることがほとんどです。

上室性頻拍
安静にしている時に、突然動悸が始まり、しばらく続いた後、唐突に終わる不整脈です。
1分間に140〜220くらいの心拍数になり、胸の不快さや不安を感じます。ゴルフのクラブを握った瞬間や駅の階段を駆け上がったときなど、健康な人でも起こります。心臓を動かす電気刺激が、異常を起こすことによって発症します。

通常、電気刺激は心室に伝わると自然に消えてしまうのですが、何かをきっかけにそれが消えず、心筋の壁をぐるぐる旋回するようになるために起こります。通常の電気刺激の通り道とは違う、別の経路(副伝導路とよばれる先天的に備わっている回路です)を電気刺激が異常な速さで通るようになる場合と、房室結節という刺激の中継地点が複数の中継ルートをもっていて、そこを通過するケースとがあります。

心室頻拍
心拍数が多くなる以外に、特有の症状はありません。上室性頻拍の症状とよく似ていますが、心室頻拍のほうが重症です。虚血性心疾患などの発作の際に起こることが多く、血圧が下がって意識を失ったり、ショック状態に陥ったりすることもあります。

異常な電気刺激が心室から発生したり、電気刺激が心室の中でぐるぐると回りだし、拍動数が増えることで起きます。大多数は心筋梗塞や心筋症などの心臓病が基礎疾患となって起こります。

WPW症候群
症状としては、上室性頻拍と同じ発作が起こりがちです。心房細動の発作が同時に起こることもあります。

生まれつき正規の電気刺激経路とは別の回路があるため、信号が両方の経路を通って心室を興奮させてしまうので、頻拍が起こります。心電図にはデルタ波とよばれる特徴的な波が出るので、すぐに判別できます。ウォルフ、パーキンソン、ホワイトという研究者の頭文字をとって疾患名がつけられています。

房室ブロック
軽いものでは自覚症状がまったくありません。自律神経の緊張が続くだけでも起こるので、小学生から高校生までの若い人や運動選手にもよくみられますが、これは治療の対象になりません。

重いものではからだを動かす時に息切れが生じ、重度になると、めまい、失神が起こります。
心筋梗塞など重い心臓病がある場合は、1分間に25〜50回くらいの心拍数に低下します。そのため全身に血液を送ることができなくなり、心不全を起こして死に至ります。

電気信号が心房から心室へと伝わっていく過程でうまく伝わらず、心房と心室の拍動リズムにズレが発生してしまうため起こります。障害の程度が軽いケースは、自律神経の緊張などが誘因となります。程度の重いタイプは心筋梗塞、リウマチ熱などが原因の疾患となっています。

洞房ブロック
脈が2〜3秒停止する程度で自覚症状がほとんどありません。
この場合は治療の必要はありません。重度のときには不整脈は頻繁に出現し、めまいなどを伴います。

洞房節から心房へ拍動の電気信号が伝わらず、途中でブロックされて起こります。自律神経の緊張、虚血性の心変化、洞結節付近の心筋の炎症などに合併して起こることもあります。

洞不全症候群
突然動悸が起こり、胸苦しさを覚えます。気が遠くなり、ときにはそのまま失神してしまうこともあります。徐脈性の不整脈の症状だけを示すものと、徐脈性と頻脈性の不整脈の症状とを交互に示す徐脈頻脈症状群とがあります。

電気信号の発信箇所である洞結節とその周辺で心筋症、虚血性心疾患、リウマチ、老化そのほかによる脂肪変性が起こり、電気刺激がうまく伝わらないために発生すると考えられています。

アダムス・ストローク症候群
急激な頻脈や心停止が起こり、脳へ血液が送れず不足するため、めまい、失神、けいれんなど、脳性の発作を起こします。発作が回復しないと死に至るケースもあります。

異常頻脈、房室ブロック、頻拍性の心室細動、まれに心房細動、心房粗動など、ほかの不整脈が誘因となるケースが多いようです。

 不整脈の治療
この10年間で不整脈の治療法はめざましく進歩し、今ではほとんどが治せるようになっています。
不整脈の治療の中心は抗不整脈薬による薬物療法となりますが、その他にもペースメーカーや除細動器、外科的手術などの治療法もあります。治療法は医師とよく相談し、自分にあったものを選択しましょう。

不整脈の薬物療法
抗不整脈薬にはさまざまな種類があります。しかし、副作用などの問題や、必ずしも抗不整脈薬による治療が有効でない場合もあります。

ナトリウムチャネル遮断薬/カリウムチャネル遮断薬
心臓内の異常な電気興奮や刺激伝導をおさえて、正常な脈のリズムを保ちます。
カルシウム拮抗薬
血管を広げ、血圧を下げます。さらに心拍数も減らし心臓の酸素消費量をおさえるので、心臓の負担が軽減されます。
ベータ遮断薬
心臓を活発に働かせる交感神経をおさえることによって心拍数を減らし、心臓の酸素需要量も減らして、心臓の負担を軽くします。
強心薬(ジゴキシン製剤など)
心臓の働きを強めて、運動能力を向上させます。ジゴキシン製剤には、脈を遅くさせる作用もあります。

外科治療
不整脈が発生する原因となっている、病的な回路を外科的に切断したり、除去する目的でおこなわれる治療法です。

原因疾患を治療する
カテーテルアブレーション
頻脈性不整脈に対して、電気的な異常興奮の発生場所や伝導路を高周波通電で焼き、根本的に起こらなくする治療法です。心房粗動やWPW症候群、発作性上室性頻拍などに有効です。

器械で補助し、ポンプ機能を改善する
ペースメーカー
ペースメーカーというのは、人工的に電気信号を発生させ、不整脈を治療する体内に植え込む電気刺激装置です。徐脈性不整脈で3秒以上の心停止とめまい、失神といった症状がある場合に適応になります。

心臓が一定の時間以上止まったままになったとき、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、というのが基本的な原理です。

ICD(植込み型除細動器)
心室頻脈や心室細動など、きわめて重症度の危険な不整脈の患者さんに対して適応される治療法です。
電気ショックを自動的に加えることのできる小型の器械を心臓に植込み、心停止が起こった際にすぐに電気ショックを加え、心臓の正しい動きを促す働きがあります。

ICDはペースメーカーとよく似た性能を持ち、徐脈性不整脈に対するペースメーカーの機能も併せ持っていますが、一番の効果は心臓突然死を防ぐことにあります。ただ、あくまでこの器械は致死性不整脈が起こってからそれを止めるために作動するものなので、その前に患者さんが一瞬気を失うこともあります。それでも万一の安全網(セーフティーネット)としての役割には、絶大な信頼が寄せられています。ICDの植込みは認定された病院でのみ行われます。

今回挙げた薬の他に、よく効く抗不整脈薬も次々開発されています。
治療法の冒頭でも述べたとおり、不整脈は今ではほとんどが治せるようになっているため、仮に自分の不整脈が怖いタイプとわかっても、その多くは治すことが可能です。 不整脈に限ったことではありませんが、自分の病気のタイプを正しく知り、適切な治療を行うことが、回復への近道になると言えるでしょう。



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